JRのお得な切符に『
周遊きっぷ』という商品があります。(リンク先はJR時刻表の会社です)
『青春18きっぷ』等の有名商品の陰に隠れてしまっていますが、似たような商品はずっとラインナップされていましたが、これまでなかなか使う機会に恵まれていないため、私も使ったことがありませんでした。存在は知っていても、各ゾーンがどこに設定されているかとかは知りませんでしたので、今回の旅行でも使用できるとは思ってもいませんでした。
この商品は基本的に下記の3枚の切符で構成されています。
・ゾーン券
・行き券
・帰り券
発行される条件としては行き・帰り券共にゾーンの任意の入り口まで201km以上ある場合です。
この『周遊きっぷ』の一体何がお得なのかというと、これも簡単に記します。
『周遊きっぷ』がお得な三つの理由
・ゾーン内では急行・特急の自由席を含めて載り放題。
・行き・帰り券は普通乗車券と同様に自由にルート設定可(出発・帰着地は同一に限る)
・その行き・帰り券が大幅に割引される(20%引き。ただし東海道新幹線を使う場合で600km以下は5%引き)
さて、今回の和倉温泉経由京都行きは、この『周遊きっぷ』と『一筆書き切符』の一体どちらがお得になるのか計算してみました。
今回、私が移動するルートと、普通にばらばらに払った場合の費用は下記のとおりです。
柏 22:59発
↓ 28分 29.1km[JR東日本] [快速]常磐線快速
上野 23:27着 23:33発
↓ 425分 517.4km[JR東日本] [急行]能登
金沢 06:38着
運賃:8,190円
急行:1,260円
指定:510円
距離:546.5km
金沢 07:36発
↓ 13分 11.5km[JR西日本] [普通]北陸本線(米原-富山)
津幡 07:49着 07:51発
↓ 77分 54.4km[JR西日本] [普通]七尾線
七尾 09:08着 09:13発
↓6分 5.1km[JR西日本] [普通]七尾線
和倉温泉 09:19着
運賃:1,280円
距離:71km
和倉温泉 12:50発
↓199分 295.8km[JR西日本] [特急]サンダーバード28号
京都 16:09着
運賃:5,250円
特急:2,310円
指定:510円
距離:295.8km
京都 19:09発
↓ 133分 506.8km[JR東海] [新幹線]のぞみ42号
品川 21:22着 21:30発
↓ 18分 10.4km[JR東日本] [普通]京浜東北・根岸線
上野 21:48着 21:55発
↓ 32分 29.1km[JR東日本] [普通]常磐線
柏 22:27着
運賃:8,510円
特急:4,730円
指定:510円
距離:546.3km
運賃合計:23,230円
その他合計:9,830円
総合計:33,060円
これを、『一筆書き切符』で購入すると下記の様になります。(運賃は
こちらを参照しました)
まずは運賃のみ計算します。
・柏→金沢→山科→東京都区内
経由は「常磐線・高崎線・上越線・信越本線・北陸本線・湖西線・新幹線・山手線・常磐線」って感じでしょうか。
こんなにたくさんMARS端末で書けるんでしょうか?
ともかく計算は下記の様になります。
柏→日暮里(特例):26.9km
日暮里→金沢:515.2km
金沢→山科:219.3km
山科→東京(東京都区内):508.1km
距離合計:1,269.5km
運賃:14,070円
・金沢→和倉温泉
距離:71km
運賃:1,280
・和倉温泉→金沢
距離:71km
運賃:1,280
この区間の往復は一筆書きから飛び出すので、別途に運賃が必要となります。
七尾線と分かれるのは金沢駅より手前の「津幡駅」からなのですが、金沢で朝ご飯を仕入れるため、「津幡-金沢」間を重複して乗車するので、あえて別途で切符を買いました。しかし、距離が70kmまでは1,110円なので、えらく損した気分になるんですけど…(;д;)
・山科→京都
距離:5.5km
運賃:180
・京都→山科
距離:5.5km
運賃:180
この区間も上と同様です。「山科-京都」間は途中下車しない限りは京都まで乗っても構わないのですが、今回は途中下車するので必要となります。
・金町→柏
距離:15.1km
運賃:290円
これは終着を「東京都区内」に設定したために必要となる切符です。この方が「東京-金町」間の距離を省けるのと、それを省いた事によって運賃の大幅UPを防いだつもりが・・・柏までの一筆書きにすると14,390円→320円の差…290円との差額30円!しか変わりませんでした。ちぇーっ。
そして、あとは特急券類の計算です。
・急行能登(上野→金沢)
急行:1,260円
指定:510円
・特急サンダーバード(和倉温泉→京都)
特急:2,310円
指定:510円
・東海道新幹線(京都→東京)
特急:4,730円
指定:510円
その結果がこちらです。
運賃合計:17,280円
その他合計:9,830円
総合計:27,110円
さて、最後に『周遊きっぷ(加賀・能登ゾーン)』を使用した場合の計算です。
まずは「加賀・能登ゾーン」の入り口として、一番東側に位置して、急行能登も停車する「津幡」を選ぶ事にして、下記の切符を「行き券」に設定します。
・柏→津幡
距離:530.6km
運賃:8,190円が二割引きで→6,550円
帰り券はこちらです。
・加賀温泉→山科→東京→柏
加賀温泉→山科:177km
山科→東京:508.1km
東京→柏:32.7km
距離合計:717.8km
運賃:9,870円が二割引きで→7,890円
そしてゾーン券は
・加賀・能登ゾーン:4,300円
最後に特急券などを加算します。
・急行能登(上野→津幡)
急行:1,260円
指定:510円
・特急サンダーバード(加賀温泉→京都)
特急:2,100円
指定:510円
・東海道新幹線(京都→東京)
特急:4,730円
指定:510円
その結果がこちらです。
運賃合計:18,740円
その他合計:9,620円
総合計:28,360円
しかし、一筆書きとの差はわずか1,250円。
もし、能登で一泊して輪島の朝市などに行こうとしたら、『周遊きっぷ』の方が大幅に得になるでしょう。
今回はその日のうちの夕方に京都入りするのが目的だったので、そこまでゆっくりする事が出来ません。
よって、今回は残念ですが一筆書き切符で行く事にして、『周遊きっぷ』の使用は次回以降にしたいと思います。