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甘口ワインの世界

◆プロローグ

別にビンボーなサラリーマンがグルメぶるつもりなんて毛頭ないのですが、
夫婦で子供も無く、楽しみといったら食事や旅行など、
庶民にできるちょっとした贅沢を満喫しています。

なのでグルメというのはおこがましいですが、
料理は好きだし、モノの美味い不味いくらいについては、
自分なりの物差しは持っているつもりです。

しかし、ワインなんて昔はなんだかやたらと渋くて酸っぱくて、
とてもじゃないですが、自分から好んで飲もうとは思いませんでした。
(もともと日本酒党です)

そんな私に転機が訪れたのはいつだったか…定かに覚えてはいませんが、
98年の夏ごろでしたでしょうか。
母の友人で料理好きな方がいるのですが、
たまたまその方と幕張メッセで開催している、パン業界のショウに行く機会がありました。
そのときに見た展示はあまり覚えていませんが、
展示に混ざって、ワイン屋さんが出展していたんです。

そのブースではイスとテーブルがカフェのように並んでいて、
試飲をしながらワインを購入することができるところでした。
私は運転手として来ていただけなので、あまり試飲もすることができなかったのですが、
そのときに薦めてていただいたのが、ドイツの高級デザートワインである、
「アイス・ヴァイン」だったのです。
少し舐める程度にしか味わいませんでしたが、
その濃厚な甘味と、フルーティーな香りは、
今まで私がワインと思っていたものとは、全く別のものでした。

母もその友人もとても気に入ったので、
「アイス・ヴァイン」やほかのワインも取り混ぜて購入して帰りました。
そのときに知った味が、今の私の好みを作っていると思います。

もちろんその後はフランスやイタリア等、世界中の赤・白ワインを試しましたが、
私の好みはブドウのフルーツとしての甘味を引き出した、
「ドイツの甘口白ワイン」。これにつきますね。

もっとも、前述の「アイス・ヴァイン」はドイツワインの中でもちょっと特殊な位置付けで、
いつも私が好んでいるのは「アウスレーゼ」といわれる等級のものです。
さっぱりとした甘味の中にも、白ワインらしい酸味のバランスがとても好きです。

参考までに下記にドイツワインの等級を記しておきます。

●ターフェルヴァイン(Tafelwein) 一般的にテーブルワインといわれるもので、 特に品質基準はありません。
●クヴァリテーツヴァイン Qualitaetswein (広義) 公認品質検査に合格した品質保証付きワインで、 上質のワインであることを示します。
●QbA ワイン (Qualitaetswein bestimmter Anbaugebiete)上質ワイン 品質保証付きワインで上級であることをあらわします。
●QmP ワイン (Qualitaetswein mit Praedikat=Praedikatswein)肩書き付き上質ワイン ドイツ特有の最高級ワインです。 プレディカート(肩書き)は葡萄の成熟度と摘まれ方によって、 6つの等級に区別されています。 このワインは以下の6つのいづれかに当てはまります。
(1)Kabinett成熟した果実から造られます。
(2)Spaetlese平常の摘み取り時期より少なくとも7日後に収穫された完熟した葡萄からつくられます。
(3)Auslese完熟した、時にはエーデルフォイレを伴った果房を選り抜いて造られる特級ワイン。
(4)Beerenauslese成熟度の高い超完熟の果粒が一粒ずつ吟味され選り抜かれて造られます。しばしば貴腐を伴い、その香ばしさは特徴的。最高品質の円熟味を備えた甘口のデザートワインです。
(5)Eiswein葡萄果汁から凍結した水分が取り除かれ、果実に含まれるアロマの諸成分と酸味と甘味が濃縮された最高級ワイン。
(6)Trockenbeerenauslese貴腐のよくできている最良の粒のみからなるぶどうを、干しぶどうに近いまでに縮むのを待った後、 選り集めて造られるワイン。
出展:http://www.japan.germanwine.de/
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