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2003.05.04

SRVのキャブレターオーバーホール



このバイクを受け取ったときには、オーナーが半年以上乗っていなかったのですが、 チョークを引いてセルを回すと一発でエンジンが始動しました。
ところがいつまでたってもエンジンは吹けあがらず、 当然チョークを戻すとエンストしてしまいます。
たぶんアイドリングの調整が甘いからだろうと、 アイドリング回転を少し上げてやると、いとも簡単にアイドリングを開始しました。 「な〜んだたったこれだけのことか」と思ってあとは綺麗に磨いてやるか、 と思っていたのですが、、、
ところがそれが大間違いだったんですね。 次の週末、アイドリングが不安定であることに気が付きます。 エンジン始動時には1,000rpm程度で落ち着いているのですが、 3〜5秒間に一度、軽くアクセルをブリッピングしたときのように、 2,000rpmくらいまで上がってしまうんです。 音にあらわすと「ブブブブブブブブォブブブブブ…」と言う感じでしょうか。
しかもプラグを見てみると、後ろ側の気筒が見事に真っ黒! 濡れてはいないので点火は問題ないようですが、 これは混合気が濃い証拠ですね。 そうすると原因はただ一つ、キャブレターのセッティングが狂ってしまっているのでしょう。
半年以上乗っていなかった間、キャブレター内部のガソリンが変質してしまっているのかもしれません。 とりあえずキャブレターをバラして掃除することにしました。

クラシカルなスタイル
ヤマハのアメリカン、ビラーゴ250のエンジンをチューンして英国スタイルのスポーツタイプのボディに搭載したそうです。
添付の工具
今回使うのはレンチが8,10,12,17、プラス(+)ドライバ、プラグレンチです。
シートを外す
リアタイヤのフェンダー内部にあるねじを外します。ねじの場所はリアサスのボディ側のステーの裏側です。
タンクを外す
シートを取るとタンクを固定しているねじが現れます。
タンクを持ち上げる
いきなりタンクを外すと、ガソリンがダダ漏れになるので、写真のように少しだけ持ち上げて、コックをひねります。
ガソリンコックをひねる
タンクは写真の状態よりも絶対に持ち上げてはいけません。ぎりぎり手が入るくらいですが、この状態でコックをひねります。
ガソリンホースを外す
ボディにはタンクからメイン、リザーブの2本のホースがきています。コックはOFFになったので、ボディ側のコックからホースを外します。
ガソリンのホース
指で指していますが、写真で上のものと左側のモノを2本外します。タンクに繋がっているのを目で追うとわかると思います。
ガソリンを流す
ホースを外すと、ホースの中と、キャブレターにガソリンを供給するラインから多量に流れ出すので、洗面器のような容器でこぼれないように受け止めます。
分解開始
さて、次はエアクリから繋がるインテークをバラします。最初にシート下から繋がるエアクリボックスとの接続部分のリングを緩めます。(+ねじ)
キャブとの接続部
次にキャブレターとの接続部分を緩めます。SRVは2気筒にひとつずつキャブがあるので、リングを二つとも緩めます。
右側面から
Vツインの前後バンクの間にキャブレターが縦に配置されているんですね。
エアクリを見る
インマニ側からみても汚れはわかりません(^^;
これがキャブレター
汚い〜
画面で下のほうに見える丸い穴(黒く見えるほう)がパイロットジェットに繋がる、アイドリング用の吸気口になります。
とりあえず掃除
キャブクリーナーで掃除しました。
タンクを外してもキャブレター内にある程度ガソリンが残っているはずなので、エンジンをかけながらスプレーを吹き付けます。
吹き付けるとエンジンが止まりそうになるので、 とまらないようにある程度吹かしながら吹き付けます。
パイプを外す
計4本だったかな?全部外します。
また、電気のケーブルも計3本、さらにアクセル×2とチョーク×1本のワイヤーも繋がっているので、それも外します。

全部外す
上の写真と見比べるとわかりますが、キャブに繋がっているパイプをすべて外します。
供給とその戻しのパイプが左右に繋がっているもので、 上から繋がっているものはオーバーフローのものです。
電気のケーブルは1本がアースで、2本がそれぞれキャブのヒーターに繋がっています。(そんなものがあるの知りませんでした)
インテークマニホールドから外す
インマニに接続されているリングも外します。
ねじの場所がかなり入り組んだところにあるので車載工具では辛いので、できれば自分で長いプラスドライバーを用意しましょう。
これがキャブレター
バラすとガソリンがドバッと出てきますので、その前にキャブの中にあるガソリンを抜いておきます。
この状態で
キャブは設置されていた方向のまま、そっと運んでください。
傾けたり振ったりすると、ガソリンがドバドバこぼれます。
ガソリンを抜く1
写真に写っていますが、ドレンコックのねじを緩めるとガソリンを抜くことができます。
ガソリンを抜く2
もちろん両方抜きましょう。
何これ?!?!?!
ガソリンを抜くと、黄色いゲル上の物質もいっしょに抜けてきました。これが腐ったガソリンなのかな?
なにか悪さをしているのでしょうか?
キャブの中身
キャブの外周4つのねじを外すとキャブのフロート室を開けることができます。
いろいろなゴミ(?)が入っていてすっごく汚いです。
パイロットジェット
やっぱり詰まってました。
本当は硬いものを突っ込んで穴を広げたりしてはまずいのですが、 ワイヤーブラシの毛を突っ込んで元の穴に戻しました。
この穴は0.3mmくらいしかないものなので、無理やり太いものを突っ込もうとしてはいけません。
お掃除
キャブレターは大変デリケートなので、硬いものでこすってはいけません。
とりあえずキャブクリーナーを吹きつけながら、歯ブラシで軽くこすって汚れを落としました。
もし汚れが激しくなければこすらないほうがいいでしょう。
プラグも新品に
以前は燃調が濃く、カーボンがびっしりついていたので、新品に換えてあげました。
プラグ交換
プラグは1本400円弱くらいでした。VツインでSOHCだと交換が簡単でいいですね。プラグキャップを手で引き抜き、プラグレンチをプラグにかぶせて、17mmのレンチで緩めたら抜くだけです。

オーバーホール後、如何に?!


キャブを掃除した後、アイドリングも嘘のように安定し、 アクセルのツキや吹け上がりもよくなりました。

そこで機嫌をよくして義兄と奥秩父へ行くことにしました。 目的は小鹿野町の『秩父こんにゃく』でこんにゃく食べ放題(\200)です。 ここでは味噌田楽が食べ放題なんですよ〜♪(^o^)

近所のガソリンスタンドでハイオク満タンをおごってあげて、 スムーズに走っていたのですが、たまにエンジンが吹けなくなって来ました。 だんだん酷くなって来たので、出発して20分ほどで一旦止まって様子を見ることにしました。
そうするとなんと言うことでしょう! エンジンを吹かすと黒い煙がマフラーから噴出すではないですか!ガーン(T_T)

とにかくその場でキャブをバラして再組み付け。 それで吹け上がりが悪いもののとりあえず走れる状態になったので、 とりあえず実家までとんぼ返りです。
さすがに道端でキャブレターをバラすのは人通りが無いところでしたが、惨めな気分でした(笑)
何があったのかわかりませんが、ハイオクの清浄効果でまた汚れがキャブレターに来て、 詰まってしまったのでしょうか? とにかくこれ以上は何もできることが無いのと、 素人仕事で済ませてしまう不安から、レッドバロンに行くことにしました。 ちょうどインテークマニホールドもゴムが劣化してヒビが入っていたので、 その部品を注文がてら、様子を見てもらうことになりました。

レッドバロンでメカニックの人にアクセルをあおってもらったり、 調子を見てもらったのですが、なぜかそのときだけは調子良いんですよ!ぉぃぉぃ(^^;
「大丈夫みたいですよ」と、太鼓判をもらったのですが、本当だろうか…
たしかに調子がいいときもあるのですが、 走っていると吹けなくなってアイドリングが止まったりすることもあるんです。 しかし、とりあえず走れなくなることは無い様なので、 お昼を食べて走れるだけ走ってみることにしました。

坂戸にある「けやき」で昼食をとり、 その後は日が暮れるまでに帰ってこられるところまで行ってみることにしました。
走ったルートは下記のとおり
『定峰峠〜白石峠〜狩場坂峠〜顔振峠〜鎌北湖』


久しぶりの二輪車&初めてのバイクでしたが、そこそこ回せばパワーの出るVツインで 坂道をグングン上り、シビックTypeRを煽れるくらいでした(^^;
峠でガンガン回したおかげか、帰り道には具合が悪くなることはまったく無くなり、 とりあえず調子は全快したようです。v(^_^)v
メデタシメデタシ!
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